〜花蓮夜—ギータ・ゴーヴィンダの世界に向けて〜
〜手のあるところに目が
目のあるところに心が
心のあるところにバーヴァ(感情)が芽生え
感情のあるところにラサ(情緒)が生まれる〜
舞踊(身体表現-アビナヤ)の聖典「アビナヤダルパナ(身振りの鏡)」で語られる言葉です
ラサは、ほとばしる香気。果汁、樹液、感性、趣味そして情緒、情感と訳されています。絵画、舞踊、演劇、そして音楽。インド芸術全てを彩る言葉です。
舞踊、音楽、そして朗読によって、「ラサ」が生まれますように。
●聖典 ギータ・ゴーヴィンダ
〜踊りと朗読で綴るクリシュナとラーダーの愛の世界〜
「空は雲に覆われ、森はタマーラ樹で暗い。ほら、あの者は夜におびえている。ラーダーや。お前が家に連れて行っておやり。」ナンダにこう促されたラーダーとマーダヴァは、途中の茂みの中の木に向かった。ヤムナー河のほとりの、ふたりのひそかなる戯れに栄えあれ。
「ヒンドゥー教の聖典 二編 ギータ・ゴーヴィンダ / デーヴィー・マハートミャ」(小倉泰 横地優子 訳注 平凡社)より抜粋
聖典「ギータ・ゴーヴィンダ」は、12世紀頃に活躍した東インドの詩人ジャヤデーヴァによって作られました。この作品は、ヴィシュヌ神の化身であるクリシュナと牛飼いの乙女ラーダーの恋物語を美しい自然描写を交えて描かれた「サンスクリット文学史の最後を飾る叙事詩」と言われる傑作です。ヒンドゥー教の寺院内で日夜、詠唱され踊られたと言われ、現在の古典舞踊オディッシィにも色濃く反映されています。また、舞踊のみならず、絵画や音楽などにも多くの影響を与えました。
今回の公演では、「花蓮夜Ⅱ〜ギータ・ゴーヴィンダの世界〜」として、聖典「ギータ・ゴーヴィンダ」の、舞踊演目と詩の朗読、シタールの演奏により構成します。
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インド古典舞踊 オディッシィ
〜叙情的、耽美的な表現とポーズの美しさで魅了する「動く彫刻」〜
インドには8種の古典舞踊が有り、オディッシィは、東インドオリッサ州に伝わる舞踊で、12〜13世紀頃ヒンドゥー教の聖地プリーにあるジャガンナート寺院で、マハリという神に仕える女性達の踊りが元になっています。一時中断を余儀なくされましたが、1950年代、復興され舞台芸術としての構成が完成しました。
踊りの特徴は、叙情的かつ耽美的な魅力に溢れています。また、オリッサ州にあるヒンドゥー寺院の彫刻を模したポーズや動作が多いことから「動く彫刻」とも言われています。
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